マイホームを残し借金を大幅減額できる個人再生とは?
個人再生とは?
個人再生とは、住宅ローン以外の借金を減額し、減額された借金を原則3年で分割返済する再生計画を立て、裁判所に申し立てる債務整理です。
任意整理よりも大幅な減額ができ、自己破産とは異なりマイホームを手放さずに、借金を減額できるのが特徴です。
個人再生ができるのは、債務の総額が5,000万円を超えない方のみです。また、手続き後も返済が続くので、安定した収入を継続して得る見込みがなければおこなうことができません。
個人再生には2つの種類がある
個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生の2つの種類があります。手続きの内容はそれほど変わりませんが、弁済総額の決め方と債権者の反対に左右されるかが異なります。
ここでは、2つの違いや条件を解説しています。ご自身の状況と照らし合わせてご覧ください。
小規模個人再生
小規模個人再生とは、個人再生の一般的な方法で、申し立てをした方の90%以上が利用しています。
本来は、収入が安定しない自営業の方を対象とした手続きですが、後述する給与所得者等再生より減額幅が大きいため、サラリーマンなどの収入が安定している方も小規模個人再生を利用しています。
小規模個人再生の条件
- 借金総額(住宅ローンを除く)が5,000万円未満
- 安定した収入を継続的(今後3~5年間)に、または反復して得る見込みがある
- 債権者の数および債権額で、2分の1以上の反対がないこと
小規模個人再生の弁済総額を決める基準
①借金から算出する金額 |
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②財産から算出する金額 | 裁判所が「財産」と判断するもの(不動産や自動車など)の価値の総額 |
小規模個人再生の弁済総額を決める基準は、①と②の金額をそれぞれ算出して、その2つのうち金額が高い方の金額を3年間で分割返済をする計画になります。
給与所得者等再生
給与所得者等再生は、サラリーマンや会社員などの給与所得がある方で、安定した収入を継続的に得られる場合におこなうことができます。
自営業の場合は、給与所得ではないため十分な収入があってもおこなうことができません。
給与所得者等再生の条件
- 借金総額(住宅ローンを除く)が5,000万円未満
- 安定した収入を継続的(今後3~5年間)に、または反復して得る見込みがある
- 給与などの定期所得があり、所得変動の幅が年間20%以下
- 可処分所得の2年分以上の支払いを条件とする
給与所得者等再生の弁済総額を決める基準
①借金から算出する金額 |
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②財産から算出する金額 | 裁判所が「財産」と判断するもの(不動産や自動車など)の価値の総額 |
③収入から算出する金額 | 収入から、住民税や所得税、社会保険料と、政令で定められた必要最低限の生活費を差し引いた金額(可処分所得)の2年分の金額 |
給与所得者等再生の弁済総額を決める基準は、①と②と③の金額をそれぞれ算出して、その3つのうち金額が一番高い方の金額を3年間で分割返済をする計画になります。
こちらの記事でも詳しく解説しています。
個人再生のメリット・デメリット
借金を大幅に減額できるメリットがある個人再生ですが、当然デメリットも存在します。
ここでは、個人再生のメリット、デメリットを解説しますので、しっかりと理解してから手続きをおこなってください。
個人再生のメリット
- 個人再生のメリット
- 借金を大幅に減額できる
- マイホームを残すことができる
- 貸金業者からの督促や取り立てがストップする
- 資格制限がない
借金を大幅に減額できる
個人再生は、任意整理よりも借金を大幅に減額することができます。原則5分の1に減額することができます。
マイホームを残すことができる
個人再生は自己破産とは異なり、住宅ローン特則を利用すればマイホームを手放さずに手続ができます。ただし、住宅ローン特則を利用するには条件があります。
住宅ローン特則については【個人再生の住宅ローン特則を利用すれば自宅を残して債務整理ができる】で詳しく解説していますので、そちらを参考にしてください。
貸金業者からの督促や取り立てがストップする
司法書士や弁護士などの専門家に依頼し、専門家から手続きを開始する受任通知を貸金業者に送ると、それ以降の連絡や請求は専門家が窓口となるため、依頼者への督促や取り立てなどすべての連絡はストップします。
資格制限がない
個人再生の場合、職業・資格の制限はありません。自己破産の場合だと資格制限があり、一定の職業・資格に就くことができなくなります。
個人再生のデメリット
- 個人再生のデメリット
- ブラックリストにのる
- 手続きに時間と手間がかかる
- 手続きをする借金を選べない
- 官報で公告される
ブラックリストにのる
個人再生に限らず、債務整理をおこなうとブラックリストにのります。約5年~10年の間、新規の借入れやクレジットカードの作成ができなくなります。
手続きに時間と手間がかかる
裁判所を通さずにおこなえる任意整理と比べ、個人再生は裁判所を通しておこなう手続きのため、時間と手間がかかります。
手続きをする借金を選べない
個人再生は、債権者平等の原則が適用されるため、住宅ローン以外のすべての借金が対象となります。対象とする借金を選べないため、保証人がついた借金や友人、知人に借りた借金もすべて平等に扱われます。
官報で公告される
個人再生をおこなうと官報にのります。官報とは国が発行している機関紙で、そこに手続きの内容が掲載されます。
個人再生の流れ
1.お問い合わせ・相談
フリーダイヤル、またはメールにてお問い合わせ後、当事務所の司法書士と一度お会いしていただき面談します。
2.受任通知の発送
当事務所にご依頼いただけた場合、当事務所から貸金業者に対して受任通知を送ります。
貸金業者が受け取った時点で、すべての連絡の窓口は当事務所になりますので、ご本人様に連絡がいくことはなくなります。
3.債務調査
貸金業者から資料を取り寄せ、借金の詳細について調査します。
4.方針決定
調査結果をもとに、ご本人様の生活状況に応じて、今後の方針を決めていきます。
5.申立準備・申立
ご本人様の財産や家計を再確認し申立書類を作成し、裁判所に申立書を提出します。
6.再生委員選任
裁判所によって、個人再生の手続きを監督する再生委員が選任されます。
7.開始決定
裁判所が個人再生の手続きを進めることを許可し、この決定後、残った借金の返済計画案を作成し裁判所に提出します。
8.許可決定
提出した返済計画案に問題がなければ、裁判所から認可がでます。その認可に貸金業者などから反対がなければ、借金の減額が確定します。
当事務所の個人再生の費用
相談料 | 0円 |
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着手金 | 11万円 |
※その他の費用は、お客様の状況によって変わります。お気軽にお問い合わせください。
※実費は別途必要となります。
個人再生についてよくある質問
個人再生 よくある質問1
Q:個人再生と自己破産の違いはなんですか?
A:個人再生と自己破産の違いは、「借金の減額・免除」「財産処分の有無」「資格制限の有無」と大きく分けて3つあります。簡単に説明すると、自己破産はすべての借金がなくなりますが、マイホームなどの財産を残すことができず、手続き後は資格制限があります。個人再生は、マイホームを残して借金を原則5分の1に減額でき、手続き後の資格制限はありません。
個人再生 よくある質問2
Q:個人再生は借金の総額がいくらまでならできますか?
A:個人再生は借金の総額が5,000万円以下であればおこなうことができます。5,000万円を超える場合は、個人再生はできません。
個人再生 よくある質問3
Q:ギャンブルが原因の借金でも個人再生はできますか?
A:個人再生は、自己破産とは異なり、借金の原因は関係ないので、ギャンブルが原因の借金でも個人再生はできます。