過払い金請求をするとローンに影響がある?
過払い金請求をしたいが「ローンが組めなくなると困る」「今のローンに影響はある?」などのお悩みを持っている方も多くいると思います。
このページでは、過払い金請求とローンの関係性や、過払い金請求でローンが組めなくなってしまうケースなどを解説しています。
■もくじ
借金を完済後に過払い金請求する場合はローンに影響なし
過払い金請求とは本来法的に支払う必要のなかった利息を取り戻すための手続きとなります。原則として過払い金請求は完済した借金に対しておこなう場合は債務整理にはならないので、ローンに影響することはありません。
ただし、借入れを完済した後に過払い金請求をおこなう場合でも気をつけたいポイントが2つあります。
過払い金請求をする前に確認すべき注意点
1.クレジットカードのショッピング利用がないか
クレジットカードを利用してショッピングしている場合、過払い金請求の手続きを取る前にショッピング枠の支払い残高を確認しておくことが重要です。
完済したキャッシングに対して過払い金請求をした場合、クレジットカードのショッピング枠に支払い残高があるとまずそこへ過払い金が充当されます。
過払い金を充当した後もショッピング残高が残っていると、その過払い金請求は債務整理の扱いとなりブラックリストにのってしまいます。
2.請求先と合併した業者からの借入れがないか
請求先の貸金業者と合併した業者からの借入れがないか確認することも重要なポイントです。ここでは、アコムを例に解説します。
アコムは平成21年に株式会社DCキャッシュワンを吸収合併しました。過払い金とは「利息制限法」が改定される以前に存在した金利のグレーゾーンで発生したものです。
DCキャッシュワンではこのグレーゾーンに触れるような金利は設定されておらず、過払い金請求の対象とはなりません。
しかしアコムがDCキャッシュワンを吸収合併している関係で、DCキャッシュワンからの借入れを返済中にアコムへの過払い金請求をおこなうと債務整理の扱いになってしまいます。
アコムのキャッシングが完済していても、DCキャッシュワンからの借入れが残っていないか確認してください。
過払い金請求をしてローンが組めなくなるケース
キャッシングやローン商品などの審査で重要視される大きなポイントは「信用情報」と「属性」の2つです。
信用情報は借入れ状況や遅延・滞納の有無、属性は主に職業・年齢・年収・家族構成といった個人情報となります。
信用情報は信用情報機関という場所で管理されており、様々な金融商品を扱う企業の間で情報が共有されています。遅延・滞納・債務整理の事実があると登録されて一定期間記録が残ります。
信用情報機関にこうした金融事故の情報が残っている状態の事を通称として「ブラックリストにのる」と呼ばれています。
ブラックリストにのってしまった場合
ブラックリストの掲載期間はその金融事故内容にもよりますが、過払い金請求が債務整理扱いになってブラックリストにのる場合は5年~7年程度となります。
ローン審査で信用情報が参照された際にブラックリスト状態が確認されると、支払い能力に問題があると見なされて審査を通過することが難しくなります。
ただしブラックリスト状態が解除されれば、過去に金融事故を起こした人でもまたローンを組むことができるようになります。過払い金請求をおこなって信用情報がブラックリスト状態になってしまうケースには、以下のような場合があります。
返済中で取り戻した過払い金で借金を0にできない場合
返済中の借入れに対して過払い金請求をする場合、過払い金はまず借金の残高へ充当されることになります。
過払い金が戻って来た段階で借入れ残高がまだ残っている場合、その過払い金請求は債務整理の1つである「任意整理」という扱いになってしまいます。
任意整理とは裁判所を介さずに貸金業者と直接和解交渉をおこない、借金の減額を目的としています。過払い金請求によって返済中の借り入れ残高が0にならなければ、結果としてそれは「借金の減額」としてみなされてしまいます。
クレジットカードのショッピングの利用がある場合
クレジットカードのショッピング枠は擬似的な「借入れ」として扱われるため、過払い金請求で返還されるお金が充当されます。
返済中の借入れ同様、過払い金請求の結果クレジットカードのショッピング枠が0にならなければ任意整理として扱われるのでブラックリストにのってしまいます。
請求先と合併した業者から借入れがある場合
請求先に吸収合併された業者から借入れがあり、返済中である場合、それは請求先の業者からの借入れと同様の扱いを受けます。
吸収合併された業者へ返済中に過払い金請求をすると、過払い金はまず吸収合併された業者の借金残高に充当されます。
過払い金によって吸収合併された業者の借金残高が0になれば問題ありませんが、残高が残ってしまうと任意整理として見なされブラックリストにのってしまいます。
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ローンを組む金融機関が請求先の関連会社の場合
信用情報のブラックリスト状態は一定期間が経過すれば解除され、その後のローン審査で参照されることはなくなります。
しかしこれはあくまで信用情報機関に登録されている記録の場合であり、個々の企業で保管されている取引情報はその限りではありません。
過去に問題が起きた利用者の情報は各企業で情報が保管されており、保存期間も異なるので半永久的に情報が参照されることも考えられるのです。
アコムやプロミスのように大手の企業となれば関連会社も多く、その関連会社でローンを組む場合も過払い金請求の情報が参照されます。
完済後の過払い金請求であれば問題ありませんが、ブラックリストにのってしまうような状態での過払い金請求の場合は長期間その情報が残ってしまいます。
過払い金請求をしても現在のローンに影響しない
過払い金請求によって現在返済中のローンやクレジットカードに影響が出るのではないかと心配する方も多いでしょう。
既に住宅ローンを組んでいる方であれば金額が大きいだけに「一括返済や返済期間短縮になってしまわないか」と心配になるでしょう。しかし、基本的に過払い金請求によって現在のローンに影響が出るということはありません。
例えば、アコムは三菱東京UFJ銀行がリリースしている「バンクイック」というカードローンの保証会社になっており、バンクイックの利用者が返済を滞納した場合はアコムが立て替える仕組みになっています。
しかし完済したアコムの借入れに対して過払い金請求をおこなう場合には、バンクイックが返済中であっても影響が出ることはありません。
ただし、バンクイックの返済で延滞・滞納が見られる場合は、逆にアコムの過払い金請求へ影響を及ぼす可能性があるのでご注意ください。
このように過払い金請求をおこなったとしても、支払いが継続中の住宅ローンに関しては全く別の契約として取り扱われるので問題はありません。
住宅ローンの支払いに影響が出るのは、直接住宅ローンに対して債務整理をした場合です。
過払い金請求後にローンを組みたい場合
過払い金請求をおこなった後にローンを組みたい場合には、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。
安易に過払い金請求をおこなった結果、任意整理として扱われてブラックリスト状態になってしまっては本末転倒です。安全に過払い金請求をおこなうための方法を把握しておきましょう。
借金を完済してから過払い金請求する
アコムやプロミスなどの貸金業者に対する過払い金請求は、原則的に完済した借入れに対するものであれば債務整理として扱われることはありません。
債務整理でなければブラックリストにのることはないので、借金を返済しきってから過払い金請求をおこなうのが安全な方法です。
しかし、完済した借入れであればいつの契約でも過払い金請求ができるという訳ではありません。過払い金請求には時効が存在しており、最後の取り引きから10年以上が経過した借入れに対しては過払い金請求ができなくなってしまうのです。
例えば、2019年時点で過払い金請求をおこなえる借入れは、2009年以降に完済したものということになります。過払い金請求は原則として同じ貸金業者の取り引き全てが対象となるので、「最後に取り引きをしてから10年以内」に過払い金請求をおこなえばアコムからの借入れ全てが対象となります。
ただしこれはアコムをコンスタントに利用して全ての借入れが「一連の契約」として見なせる場合に限ります。例えば2000年に1度目の借入れをおこない2002年に完済、2003年に2度目の借入れをして2009年に完済している場合は比較的借入れのスパンが短く、一連の契約として見なされる可能性が高いです。
しかし、2度目の借入れが2008年といった具合に1度目の借入れから長期間空いてしまうと、分断された個別の契約として見なされ2000年の借入れは過払い金請求の対象外となる可能性もあります。判断基準は裁判所や弁護士などの専門家によっても異なるので手続き前に確認しておくことが重要です。
ローンを組んでから過払い金請求する
取引内容が複雑で過払い金請求の結果が読めない、もしくは返済中かつ過払い金で相殺が見込めない場合には手続きへ進む前にローンを組んでしまうというのも1つの方法です。
原則的に過払い金請求が返済中のローンに影響を及ぼすことはなく、1度ローン審査に通過してしまえば金融機関が信用情報をチェックし直すということはほとんどありません。
ローンを返済する為の支払い能力が確保できているのであれば、過払い金請求をする前にローンを組んでしまうのが無難です。
ただし、過払い金請求で残債を完済できない場合はブラックリストにのってしまうので十分注意してください。
過払い金請求はみどり法務事務所にお任せください
過払い金請求という手続きは専門家に依頼せずとも、自力で手続きを進めることが可能です。しかし個人で過払い金請求をおこなう場合には時間や労力がかかってしまう他にも、返還される過払い金が少なくなる可能性が高いというリスクがあります。
過払い金請求では貸金業者との交渉が大きなウェイトを占めているため、返済中の借入れに対して過払い金をかける際に重要になります。戻ってくる過払い金が少なければ、借金残高を0にできる可能性が低くなります。
過払い金は返還請求をすれば全額戻ってくるわけではなく、貸金業者との交渉で返還率が決まります。
みどり法務事務所は、過払い金請求を専門としていますので各貸金業者に対してのノウハウを豊富に持っていますので、有利な条件で交渉を運ぶことができます。
少しでも多く過払い金を取り戻して借金を完済させるためには、借金の専門家であるみどり法務事務所にご相談ください。
過払い金請求・ローンについてよくある質問
過払い金請求・ローン よくある質問1
Q:過払い金請求をした後にローンを組むことはできますか?
A:借金を完済している状態で過払い金請求をする場合は、ローンを組むことができますのでご安心ください。また、返済中であっても取り戻した過払い金で借金をなくすことができれば、過払い金請求後にローンを組むことができます。
過払い金請求・ローン よくある質問2
Q:過払い金請求をしてローンが組めなくなるのはどんなケースですか?
A:過払い金請求後にローンが組めなくなってしまうケースは、借金を返済中に過払い金請求をし、ブラックリストにのってしまった場合です。また、ローンを組む金融機関が請求先の関連会社の場合も、ローンを組むことができない可能性が高いです。
過払い金請求・ローン よくある質問3
Q:過払い金請求後にローンを組みたいのですが、注意したほうがいいポイントはありますか?
A:過払い金請求後にローンを組みたい場合は、借金を完済してから手続きをおこなってください。ローンを組んだあとに過払い金請求をする方法もあります。また、ローンを組む金融機関が請求先の関連会社ではないか確認することも重要なポイントです。
過払い金請求・ローン よくある質問4
Q:現在、住宅ローンを組んでいるのですが、過払い金請求をすると住宅ローンに影響がありますか?
A:過払い金請求をしたからといって、ローンの残債を一括請求されたり、契約条件が見直されるなど、ローンに影響はありません。過払い金請求をすることで、取り戻した過払い金を現在のローンの返済に充てることができるので、今後の負担を減らすことができます。